#五反野ビブリオ2022【07-さがしもの】

こんにちは!苅草学院五反野校です。
『読書の秋』企画・五反野ビブリオ2022より、第七弾をお届けします。

【さがしもの】
著/角田光代
出版/新潮社

本にまつわる九編の短編集で、読書の魅力を教えてくれる一冊。本との出逢いはさまざまで、ときに本は「わたしを読んで」とばかりに人を呼ぶと筆者はあとがきエッセイに書いているが、まったくその通りだと思う。書店や図書館でたくさん並ぶ本の中から、見た瞬間に、タイトル、カバー装画、装丁だかに何となく引き付けられてその本を手にすることがある。そんな本ならきっと印象に残る一行と出逢えるのだと思う。
またこの作品に登場するある本は、持ち主が手放しても再び持ち主の前に現れ、その人に以前とは違う内容の本として読まれる。持ち主は、本の内容が変化したのではなく、読者自身が変化してきたためその本ががらりと意味を変えたのだと気づく。本の中には一度読めば気が済むものと、本棚の中に置いておき、またいつか手に取りたくなるものがある。読み返したときに違った印象を持つことは読書の魅力の一つだ。それには、まず若い内に本を手に取り、今の感性を通して読み、読書に没入する経験をしてくれたらと思う。この五反野ビブリオが、とっておきの一冊との出逢いのきっかけになってくれたらと願う。

次回は9月30日投稿です。五反野ビブリオも折り返しとなります。お楽しみに。

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